株式上場 メリット・デメリット

株式を上場すると不特定多数の投資家が、その株式を売買することになります。投資家が安心して株式を売買するためには、上場会社が投資対象として一定の基準を満たしている必要があります。東京証券取引所では、新規上場にあたっての様々な規則が定められており、上場を申請する会社に対して、諸規則に基づいて審査がなされます。

審査にパスするためには、取引関係の整理をしたり、役員を変更し取締役会をきちんと開いたり、社内規程を定めて役職員に遵守させたり、監査法人からOKがもらえる経理処理に変更したり 等 等 等 、膨大な手間と、それなりのコストがかかります。また、上場してからも、上場前には発生しなかった手間やコストがかかります。

それでも、いずれは上場したいというご相談をよくお受けします。

下図は、東京証券取引所のホームページにある「新規上場基本情報 最近のIPOの状況」から作成した新規上場会社数の推移です。

新型コロナとは関係なく、毎年100件前後で推移しています。なぜ、上場を目指すのか。

上場のメリットとデメリットを見てみましょう。

株式上場のメリット

資金調達

公募による時価発行増資や新株予約権・新株予約権付社債の発行等、直接金融の道が開かれ、資金調達能力を増大させることができます。

社会的信用力と知名度の向上

上場することは、会社の知名度の向上につながります。知名度の向上は、優秀な人材を確保できるチャンスが広がります。

厳しい上場審査を突破した会社であること、適時開示等により会社の重要な情報が公開されていることから社会的信用力が高まります。取引先や金融機関からの信頼度を向上させることが可能です。

創業者利潤の獲得

上場時に、創業者が保有する株式を一部、売り出すことになりますので、膨大な利益を得ることができます。

上場前に、ストックオプションを付与された従業員は、上場後、臨時収入が得られるチャンスとなりますので、従業員のモチベーションアップにもつながります。

創業者利潤の獲得が上場ゴールではダメなのですが。。。

株式上場のデメリット

内部管理体制の整備、運用の煩雑さ、コスト

管理体制が強くなるという意味ではメリットです。ただ、業務を遂行していく上で煩雑さが増すと思います。

多くの社内規程を策定し、規程が守られるような仕組みを整え、運用していかなくてはなりません。

毎年予算を作成し、月次で予算と実績を比べて分析し、ネガティブな乖離があれば対策を講じていく必要があります。

内部監査が定期的に各部署を回って、業務が適切に遂行されているかをチェックします。外部監査への対応もしないといけません。

書けば、きりがありません。。。

いずれも、上場会社では当たり前のことだと思うのですが、慣れるまでが大変だと思います。

さらに、人的コストも増加しますし、外部監査の料金、上場維持費用等のコストも発生します。

外部株主の存在

外部株主との健全な対話により、経営の健全化、効率化が可能となります。また、アクティビスト(モノ言う株主)が買った株は値上がりすると言った話もあった気がします。

そう考えればメリットなのですが、上場前と比べると、不自由さを感じるケースもあると思います。

役員の選任・解任、配当等株主還元、不採算事業の売却等、 アクティビスト に指摘されるような事項を抱えている場合には、早めに対策をしておいたほうがよいでしょう。

外から物言うだけならまだよいのですが、外部株主により買収されてしまうリスクもあるので注意が必要です。

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