老後の資金がありません!自営業、フリーランス編 その1

老後資金2000万円必要!という話題がしばらく前に盛り上がりました。令和元年6月に金融庁から公開された金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書において、平均的な無職の高齢者夫婦世帯(夫65歳以上妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯)では、ほとんどの収入が社会保障給付であること、また、毎月の収支が約5万円の赤字となっていることが明らかにされました。また、平均的な貯蓄額が2,484万円であり、毎月の赤字額は貯蓄から補填されていると。。。

また、自営業やフリーランスという働き方は、多様なスキルを活かしながら、一つの企業に留まらず長く働き続けることができる可能性を高めることができる反面、これまで老後の資金の柱の一つであった退職金を受け取れないか、あっても低い水準になる可能性がある点が指摘されています。

年をとっても、豊かで充実した生活を送っていくため、ビジネスプラン&ライフプランを立てていきましょう。

まずは、公的年金関係の現状把握から始めます。

老後にもらえる年金はいくら?

老齢基礎年金

自営業者とその配偶者は国民年金に加入します。第1号被保険者となります。

原則として65歳から亡くなるまで老齢基礎年金がもらえます。

1年間でもらえる年金額は、以下の算式により求めることができます。保険料を納めた月数に応じて決まります。保険料が免除されていた月は一定割合目減りします。

ただし平成21年3月分までは、全額免除は6分の2、4分の1納付は6分の3、半額納付は6分の4、4分の3納付は6分の5にて、それぞれ計算されます。                   
大正15年4月2日から昭和2年4月1日までに生まれた方は、加入可能年数が25年に短縮されており、以降、昭和16年4月1日生まれの方まで生年月日に応じて26年から39年に短縮されています

老齢年金を受け取るためには、保険料納付済期間(国民年金の保険料納付済期間や厚生年金保険、共済組合等の加入期間を含みます。)と国民年金の保険料免除期間などを合算した資格期間が原則として25年以上必要でしたが、平成29年8月1日からは、資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取ることができるようになりました。

もらうタイミングを早めることもできますが、1年間にもらえる年金額が少なくなります。

もらうタイミングを遅くすることもできます。その場合は、1年間にもらえる年金額は多くなります。

令和3年度の国民年金保険料が月額16,610円ですので、単純に考えると3倍強になって戻ってくると考えられます。ただ、これだけでは生活できないですよね。。。

老齢厚生年金

脱サラして自営業やフリーランスとなった方であれば、会社員時代に加入していた厚生年金を老齢基礎年金に上乗せして受け取ることができます。

厚生年金に1か月以上加入していて、かつ、老齢基礎年金の受給要件を満たしていれ受け取ることができます。

会社員時代の厚生年金に加入していた期間が10年に満たなかった場合でも、その前後、国民年金に加入していて通算した加入期間が10年以上あれば老齢厚生年金を受け取ることができます。

65歳以上の年金額(利和3年4月から)は以下の計算により算定されます。

報酬比例年金額について、算出方法を見てみましょう。

報酬比例年金額は、次の(1)の計算式で求められます。ただし、(1)で算出した額が(2)で算出した額を下回る場合には、(2)が年金額となります。

  • 平均標準報酬月額
    平成15年3月までの被保険者期間の各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額です。
  • 平均標準報酬額
    平成15年4月以後の被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額です。

老後に備えて

自営業者、フリーランスの方々のための公的な年金制度がいくつかあります。「現在の資金繰りの状況」と「将来どれだけ必要なのか」のバランスを取りながら、加入すべきかどうか検討することをお勧めします。

付加年金

任意の制度ですが、第1号被保険者、任意加入被保険者が付加保険料(月額400円)をプラスして支払うと、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。

もし1年間、付加保険料を払った場合、400円×12か月=4,800円を支払うことになりますが、将来、200円×12か月=2,400円が上乗せされます。2年で元がとれます。

10年間で総額48,000円支払うと、年間24,000円上乗せされますので、死亡するまで25年受け取るとすると600,000円受け取ることができます。

国民年金基金

これも任意の制度ですが、国民年金法の規定に基づく公的な年金であり、国民年金とセットで国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。

終身年金がA型とB型の2種類、確定年金がⅠ型からⅤ型までの5種類、計7種類の年金があります。

1口目は終身年金A型またはB型から選びます。2口目以上は7種類の中から自由に選ぶことができます。(掛け金は月額68,000円までという制限があります。)

国民年金基金のホームページでシミュレーションができますので試してみました。

昭和57年11月1日生まれの男性が令和3年11月1日に申出

年金は以下の6口を選択

1口目 A型

2口目以上 A型1口、B型1口、Ⅰ型1口、Ⅱ型1口、Ⅲ型1口

掛け金は、月額28,690円(年額344,280円)となります。加入月から60歳到達月前月分までの掛け金総額が7,201,190円となります。

60歳から85歳まで年金を受け取った場合、受取総額は8,845,000円となります。


出典 全国国民年金基金 年金シミュレーションでのシミュレーション結果

掛け金は全額社会保険料控除の対象になるので、確定申告により所得税が軽減されます。また、受け取る年金も公的年金等控除の対象です。

上記の付加年金と両方に加入することはできません。

任意に途中解約や途中脱退はできません。2口目以上の加入口数を減らすことはできます。

詳しくは国民年金基金のホームページをご確認ください。

小規模企業共済

小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。

月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定が可能で、加入後も増額・減額できます。確定申告の際は、その全額を課税対象所得から控除できるため、高い節税効果があります。

共済金は、退職・廃業時に受け取りが可能となります(満期や満額はありません)。共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能です。一括受取りの場合は退職所得扱いに、分割受取りの場合は、公的年金等の雑所得扱いとなり、税制メリットもあります。

掛金納付月数が6か月未満の場合は、共済金A、共済金Bは受け取れません。また、12か月未満の場合は、準共済金、解約手当金は受け取れません

掛金納付月数が、240か月(20年)未満で任意解約をした場合は、掛金合計額を下回ります(掛金納付月数は掛金月額500円を1口とした掛金区分ごとに数えます。)
加入期間が240か月以上でも、途中で掛金を増額/減額した場合で掛金区分ごとの掛金納付月数が240か月を下回ったときは、任意解約した場合に受け取れる解約手当金が掛金合計額を下回ることがあります。

独立行政法人中小企業基盤整備機構のホームページで、小規模企業共済制度の加入シミュレーションができますのでやってみました。

加入年月日 2021年10月30日、加入時の年齢39歳11か月

脱退年月日 2046年11月30日、脱退時の年齢65歳0か月

給付月数 302か月

掛け金 月額10,000円、掛け金合計額3,020,000円

受取

事業廃止等→共済金A 3,648,200円

老齢給付等→共済金B 3,441,200円

出典  独立行政法人中小企業基盤整備機構 小規模企業共済制度の加入シミュレーション の結果

詳しくは、 独立行政法人中小企業基盤整備機 のホームページをご確認ください。

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