相続税 申告遅れたら

近親者がお亡くなりになると、死亡届の提出、お葬式、死亡保険金の手続、健康保険や年金の手続、金融機関への連絡等、たくさんの手続をしなければなりません。それなりの財産を残された場合には、相続税の申告、納付もしなければなりません。

遺産をどう分けたらいいのか、話し合っているうちに、あっという間に季節は過ぎていき、ふと気づけば、亡くなってからもうすぐ10か月。

いつまでに申告、納付をしなければならないのか、期限を過ぎるとどうなるのか、見ていきましょう。

相続税の申告期限

相続又は遺贈により財産を取得した人は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告及び納税をしなければなりません。

例えば、2021年8月26日に死亡したことを知った場合、2022年6月26日が期限となるのですが、この日は日曜日です。

期限となる日が土曜日、日曜日若しくは祝日の場合には、休み明けの日となります。したがって、期限は2022年6月27日となります。

また、死亡した日の翌日から10か月以内ではなく、死亡したことを知った日の翌日から10か月以内とされていますので、

申告すべき人により期限が異なることもあり得ます。

期限を過ぎてしまうとどうなる?

期限を過ぎてしまいますと、ペナルティがあります。

延滞税

申告期限までに相続税を納めなかった場合に延滞税が課せられます。

延滞期間が長くなるほど、延滞税は高くなります。

①納期限の翌日から2か月以内

 年2.5%

「年7.3%」と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い割合が適用されています。令和3年は年2.5%が適用されます。

②納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日以後

 年8.8%

「年14.6%」と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合が適用されています。令和3年は年8.8%が適用されます。

なお、 「延滞税特例基準割合 」は年によって変動します。

無申告加算税

無申告加算税は、相続税等の国税がかかるにもかかわらず、正当な理由なく期限内に申告をしなかった場合に本来納付すべき税額に応じて課されます。

①期限内に申告書を提出しなかったことについて正当な理由があると認められる場合

無申告加算税は課されません。

②法定申告期限から1か月以内に自主的に申告した場合

期限内に申告書を提出する意思があったと認められる場合として政令で定める場合に該当していれば無申告加算税は課されません。

③法定申告期限から1か月超~税務調査の通知以前に自主的に申告した場合

申告した納税額の5%の無申告加算税が課されます。

税務調査の通知以後、自主的に申告した場合

申告した納税額が50万円までの部分につき10%、50万円を超える部分につき15%の無申告加算税が課されます。

税務調査による更正等があることを予知して申告をした場合

申告した納税額が50万円までの部分につき15%、50万円を超える部分につき20%の無申告加算税が課されます。

特例が使えないケースも

適切な対応をしていないと「小規模宅地等の特例」の適用ができなくなるケースもありますので、注意が必要です。

この特例が使えないと、相続税額を大幅に減額できるメリットを逃してしまうことになります。

対策

申告期限の延長

申告期限の延長は、原則、できません。

遺留分の減殺請求があったり、相続人に変更があった場合、新型コロナ感染症に感染した等、例外的な場合のみ申請により延長可能ですが、原則、できません。

概算で申告

相続財産の評価ができていないような場合には、いったん、概算で税額が多めになるようにして申告を行い、多めに税額を支払っておきます。

後日、財産評価を適切に終えてから、多すぎた税金を訂正するための申告(更正の請求)を行い、払いすぎた相続税の還付を受けます。

法定相続割合による分割をしたとして申告

遺産分割協議でもめていて申告できないような場合には、いったん、法定相続割合で分割したと仮定して、申告を行います。

その際、「申告期限後3年以内の分割見込み書」を忘れずに提出しましょう。

後日、遺産分割協議が確定したのち、確定した分割結果にもとづき、更正の請求、修正申告を行い、払いすぎた相続税の還付、未払の相続税の納付を行います。

申告期限後3年たっても分割ができなかったら、、、

遺産分割が終わらないのが、やむを得ない理由に該当する場合には、再度、延長することが可能です。

相続に関する訴訟がある、和解や調停等の申し立てがある、税務署長がやむを得ない事由と判断した場合等です。

この場合、申告期限後3年以内に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を税務署に提出します。

承認されれば、その事由が解消されるまで延長することができます。

承認されなければ、配偶者に対する税額の軽減、小規模宅地特例等が受けられなくなります。

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